2010-01-22

柱を変えてみると・・・ 〜聴かずに死ねるか!《第十三話》〜

柳家喬太郎
“竹の水仙”

ご存知、左甚五郎のお噺。

実は、数年前に桂歌丸師匠の高座でも体験してます。
その際には、淡々と話が進む中にも
左甚五郎という人の凄さを感じさせられ、
歌丸師匠の芸に感心させられました。
勿論、歌丸師匠の“ねずみ”も同様でした。

が・・・
喬太郎版“竹の水仙”は違〜〜〜うんです。

どちらかというと、小心者の宿屋の亭主にスポットが当たってます。
一文無しに宿泊されて、大酒呑まれてしまって右往左往。
おカミサンにどやされて、困り果てて涙々。
なんだかわけの分からない細工物を渡されて、饅頭かぁと意気消沈。
お屋敷に呼ばれて、お咎めを受けるんじゃないかと戦々恐々。
だんだんと亭主に感情移入してしまいます。

一つの噺として考えた場合、
演出によってストーリーが大きく変わる事はなくても、
噺の柱が変わる事による新しさや驚きは新鮮です。

でもって、喬太郎版は大爆笑の連続。
こんな左甚五郎噺は初めてでした。
喬太郎演出に、完敗です。

演者独自の世界観をキチンと表現できる噺家さんの高座は、
やはりいいもんです。
今度は喬太郎版“火焔太鼓”を
聴いてみたくなりました(流れとしてはベタですが・・・)。


ふと・・・

芸風は同じではないものの、
今は亡き、枝雀師匠を思い出させる場面もありました・・・





「呑み代、あと二百両ふっかけても良かったな」
いやいや、こちとらしがない庶民ですから・・・

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