2009-07-03

通すも通さぬも 〜聴かずに死ねるか!《第八話》〜

入船亭扇遊
“人形買い”

古典落語を通しで堪能できる機会って、もしかしたら少ないかも、なんて。
あの有名な“品川心中”なんて、後半を演る事なんてほとんど無いでしょう。
“子別れ”なんて、上中下の下しかやらない事が多いのではないでしょうか。
ま、時たま中下と演ったりする事もあるようですが・・・

で、“人形買い”。
寄席なんかで聴くと、やっぱり前半のみだと思います。
少なくとも聴いた事があるのは前半のみでした。

入船亭扇遊は通しで演ってくれました(寄席じゃないんだけど)。
はぁ〜、そういう流れでサゲにいくのかぁ。
と、ラストまで引き込まれました。
さすが、ですね。

こういうのって、
まぁ、長いからってのもあるんでしょうが、
通しで演らない理由がちゃんとあるんだと思います。
『現代では分かりにくい』とか『暗い』とか・・・
でも、その上で通しで演るには、かなりの力量が必要ですよね。
もっかい、
さすが、ですね。

通すも通さぬも噺家次第なんでしょうが、
知ってしまったからにゃぁ、
通してもらいたくなるもんです。
こういう機会が増えるといいですね。

今月末には、古今亭志ん輔が“品川心中”ですよ。
通しで演ってほしいなぁ。

あ、でも“真景累ヶ淵”なんてぇのは通しじゃなくていいです。



「おっとっと、呑み代はお返しからさっ引いといてくださいな。
 え? そんじゃ足んないの? 困ったなぁ・・・ サがんないや」

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