2009-07-31

思いがけず、ひとりZep会の夜だった

またしても、件のとあるBarでの事。
(どんなBarかは“〜viva! 70's&80's〜”参照)

客も少なくなってきた時間帯。
オーナーが「今日、ディスクユニオン行ったら
Led Zeppelinかかっててさ、
でも途中で止められたから、今夜はかける」と宣言。

サプライズ!
この店の機材で聴けるなんて・・・
ついつい「おかわり」・・・

All My Love
Since I've Been Loving You
Whole Lotta Love(←オーナーはこれが聴きたかったらしい)
 確かに、このリフは凄いよね。

で、ちょっと寄り道してたら、
珍しく他の常連さんが帰ってしまって、
ひとりきりに。
そのとき期待した一言がオーナーから・・・
「貸し切りだから、いいよ」

当然、ここからは大音量。
ウチではぜっっっっっっったいにできない
ボリュームで堪能させてもらいました。
この店を知ってから、
絶対体験したいと密かに思っていた事が現実に・・・

今年の夏はいい事ありそう?




以下、覚え書き的に・・・・
※特に表記の無い曲は全てスタジオアナログ版

The Crunge
The Battle Of Evermore
No Quarter

ここで、オーナーから
「Zepの中でもわりと変態好みだね」とお褒めの言葉をいただく(笑)
なかでも、The Crungeのドラム。
9/8拍子なんて、いったいどうやったら
グルーブ感を損なわずにたたけるのだろうか。
で、No Quarter。
個人的には、絶対にスタジオ版。
全ての音が絶妙に渦巻いている。
そして、ライヴには無いクールな厚み。
ま、彼らはライヴにはめったにサポートをつけなかったらしいので、
どうしても、ジョンジーが一役しかできないから
仕方ないと思うけど。

あとは怒濤の
Rock And Roll(Live)
Celebration Day(Live)
The Song Remains The Same(Live)
The Rain Song(Live)
 つまりThe Song Remains the Sameの
 A面まるっと、ですね。

ここで閉店時間・・・

なので、ラスト一曲。
スタジオ版かLiveDVDか迷ったが、
ドラミングの映像が見たかったので、
LiveDVDから、

Achilles Last Stand



ごちそう様でした・・・
やっぱり、大音量だよな・・・ Led Zeppelinは。

あ、ここでは時々、
Miles DavisのTime After Time(Live)も
大音量で聴ける事がある。
勿論、すっっっごくイイです。

2009-07-14

黒いマイケルは真っ白なポップコーンを食うのであった

すっごく久しぶりに“Thriller”のPVを見た。
勿論ロングバージョン。
勿論呑みながら・・・

この作品、
単にPVと言ってしまっていいのかどうかはさておき・・・

監督はJohn Landis(The Blues Brothersは名作ですね)。
ナレーションは
Vincent Price(Scissorhandsが遺作となってしまいました)。
勿論主演はMichael Jackson。
ハードはMarantzの真空管アンプに
Tannoyのスピーカー(Rectangular York)。

っつーことで、未だに巷は追悼気分なのだが、
このPVは名作ですな。
勿論、曲もダンスも演出もいいんだけど、
個人的にはVincent Priceのナレーション。
コレに尽きる。
ま、もっとも、曲・全体の構成・演出ありきではあると思うけど。

この人の声は一度聞いたら忘れられない響きがある。
声を聞けば「あ、この声聞いた事ある! しかもホラー系!」と
納得がいくと思うし、実際には聞いた事が無い人でも、
「おぉ、この声はなんかのホラー映画で聞いたことあるぞ・・・」と
思い込んでしまうほど、
暗く、湿った画面にピッタリなのである。

そんな事を考えながら見ていたら、
その場にいたほとんどの人は、
特殊メイク(そう、VFXではなく!)や
Michaelのダンスシーンに過剰反応していた。

でも・・・・
あんなに白人にあこがれつつも、
“実は白人嫌い”発言も話題になっていた(真実は定かではないが)、
まだ肌が黒かったMichaelが、
すっごく嬉しそうに、
真っ白なポップコーンを頬張っているシーンに
何かを感じたのは自分だけだろうか。

(カッコつけ過ぎ・・・)

ま、たいして雨がふらないうちに梅雨も明けてしまい、
水不足は大丈夫なのだろうかと思う今日この頃。
ビールの消費量がグンと増える季節が
本格的になってきてしまった・・・

2009-07-08

感動! でも“布哇”って読める? 〜聴かずに死ねるか!《第十一話》〜

柳家喬太郎
“布哇の雪”

とりあえず“布哇”って、何と読むかは置いといて・・・

落語研究会にて、柳家喬太郎がこういう根多で
トリをつとめるとは思わなかった。
ご本人も高座で「大丈夫か?!」なんて言ってましたが・・・

古典もいいけど、師匠のこういった創作落語もいいもんです。
好き嫌いがあるようですが、
登場人物のキャラクター設定が面白いです。
そして、その描写が素晴らしい噺です。

スタートから大爆笑。
今時の女性の細かい描写、
頑固(を装っている)祖父の細かい描写・・・
このギャップやギリギリの駄洒落などなど、
粋を、いや、息をつかせぬテンポで
クライマックスへ向かっていきます。

で、はっきり言って泣けます。
笑いで泣けて、ラストは感動で泣けます。
涙腺ゆるい方は、ハンカチ必須噺でした。

もう、熱演・感動、としか言いようがない高座を堪能しました。

当日は喬太郎の前に高座に上がった柳家三三(ろくろ首)も、
すっごく良かったんですけどね。
マクラで、当日ならではの
「○○○ってどう書くのか初めて知りました」などの振りもキイていて、
会場は大ウケだったのですが、
ぜーんぶ、喬太郎がもっていっちゃいました。

あ、“布哇”の読み方が分かったから、
感動したってぇワケじゃぁありませんよ。




「ま、ゆっくり呑みながら、何て読むか思い出しましょうか」

2009-07-04

抑えの神髄 〜聴かずに死ねるか!《第十話》〜

桂歌丸
“藁人形”

艶っぽいんですよ、歌丸師匠は。
花魁や人妻がすっごく艶っぽい。
過剰な演出をしてない“抑え”た芸がそう感じさせるのか。

例えば、喧嘩のシーンでもオーバーアクションは無いし、
必要最小限の言葉・動きで表現してる。
えっと、花魁や人妻は・・・
文章で説明するよりライブで感じてもらった方がいいんですが、
やっぱり、男が女を表現する時、
色々とやりたくなるのかもしれないところを極力、
“抑え”てるように思う。

“やり過ぎ”はよくないねぇ、何事も。
と言われている感じです。
そんで、抑え方に嫌みが無い。
すっごくスタイリッシュな感じがする。
小三治師匠も似た印象をうけますなぁ。

“抑え”た芸も究めれば、スタイリッシュになるんですなぁ。

にしても、この噺・・・
さんざん恨みつらみを重ねて復讐を果たそうとするってとこで、
サゲは[糠に釘]だもんなぁ。
ま、それが落語なんですけどね。

あ、歌丸師匠の“真景累ヶ淵”も聴いてみたいです。
どんな抑え方で、怖さを演出するんでしょうね。



「アテは糠漬けで充分ですよ、今夜は」

2009-07-03

親子って 〜聴かずに死ねるか!《第九話》〜

親子といっても“子別れ”とか“真田小僧”とか
“親子酒”とか“親子茶屋”じゃぁありません。

金原亭馬生(十代目)
“目黒のさんま”

そもそも、金原亭馬生(十代目)を初めて聴いたのが“目黒のさんま”。
しかも、とある出張時、機内の全日空寄席にて。
しかも、イヤホンを耳に突っ込んだ時には殿様はもう馬上の人。

だもんで・・・
「えっ? 志ん生の“目黒のさんま”か?!」とびっくり。
いやー機長な、いや貴重な音源じゃん、と思いつつ聴いていくと、
「ん、志ん生の音源にしては聴き取りやすいなー」
で、サゲの後のアナウンスで、金原亭馬生(十代目)と分かった。
まぁ、これも勿論貴重な音源なんだけどね。

貫禄、の“目黒のさんま”であり、
今までになく笑えた“目黒のさんま”でした。
勿論、到着までに、もっかい聴きましたよ。
音源のみということは、噺家の仕草や表情が見えないんですが、
各シーンが自然と頭に浮かんでくる、
そんな一席でした。

志ん朝(三代目)と比べると、
志ん生にそっくりな印象なんです、馬生(十代目)の方が。
勿論、音源だけでのハナシですが。

親子って、似てくるところは様々なんでしょうが、
馬生(十代目)も志ん朝(三代目)も、
大酒呑みなとこは志ん生そっくりだったそうですが、
二人とも長寿なとこは似なかったようで、残念です。
親子って、そんなモンなんでしょうか。

現在、馬生(十代目)よりも志ん朝(三代目)の方が、
評価が高いようですが、
お二人とも、生で聴きたかったなぁ、と思うわけであります。




「晩酌は手酌に限る!(やせ我慢・・・)」

通すも通さぬも 〜聴かずに死ねるか!《第八話》〜

入船亭扇遊
“人形買い”

古典落語を通しで堪能できる機会って、もしかしたら少ないかも、なんて。
あの有名な“品川心中”なんて、後半を演る事なんてほとんど無いでしょう。
“子別れ”なんて、上中下の下しかやらない事が多いのではないでしょうか。
ま、時たま中下と演ったりする事もあるようですが・・・

で、“人形買い”。
寄席なんかで聴くと、やっぱり前半のみだと思います。
少なくとも聴いた事があるのは前半のみでした。

入船亭扇遊は通しで演ってくれました(寄席じゃないんだけど)。
はぁ〜、そういう流れでサゲにいくのかぁ。
と、ラストまで引き込まれました。
さすが、ですね。

こういうのって、
まぁ、長いからってのもあるんでしょうが、
通しで演らない理由がちゃんとあるんだと思います。
『現代では分かりにくい』とか『暗い』とか・・・
でも、その上で通しで演るには、かなりの力量が必要ですよね。
もっかい、
さすが、ですね。

通すも通さぬも噺家次第なんでしょうが、
知ってしまったからにゃぁ、
通してもらいたくなるもんです。
こういう機会が増えるといいですね。

今月末には、古今亭志ん輔が“品川心中”ですよ。
通しで演ってほしいなぁ。

あ、でも“真景累ヶ淵”なんてぇのは通しじゃなくていいです。



「おっとっと、呑み代はお返しからさっ引いといてくださいな。
 え? そんじゃ足んないの? 困ったなぁ・・・ サがんないや」

2009-07-02

何故、大阪だったのか・・・

今更ですが・・・
すっごく久しぶりに“ブラック・レイン”を見た。
自分でも驚いたが、2回目。
“ブレード・ランナー”は100回以上も見てるのに・・・

たぶん、リドリー・スコットの中では、
アキバ(敢て東京とは言わない)よりも大阪の方が、
2019年のロスに近い印象を受けたのかもしれない。

彼は大阪に、より湿度を感じたのか・・・
それとも《グリコ》の電飾に《コルフ月品》の夢を見たのか・・・
それとも東大阪と思しき工業地帯に《ノストロモ号》の夢を見たのか・・・

そして・・・
高倉健もマイケル・ダグラスも
やはり、〈うどん〉を食うのである。

エンディングでは、蕎麦のようにも見えたが、
市場内では明らかに〈うどん〉。
マイケル・ダグラスよりはハリソン・フォードの方が、
箸使いは上手いな、と思いつつ・・・

でも、湿度やうどんよりも、
陰影と煙にリドリー・スコットを感じてしまった。
もう数え上げたらキリが無いほど、
リドリー・スコット流“光と影”の演出が出てくる。
煙も然り。
印象的なのは〈サトー〉がエンコ詰めるシーンの直前、
親分たちが煙草をふかし、そして消す時に立ち上がる煙の効果!
(レイチェルの煙草の煙よりは抑えめではあるが・・・)

で、身びいきかもしれないが、
マイケル・ダグラスよりは高倉健に存在感を感じてしまうのは、
自分だけだろうか。
後半にも出てはくるが、ほぼプロローグと言ってもいい頃合いに出てくる
内田裕也の存在感に一瞬、巻き戻したのは自分だけではないはず。

若山富三郎など脇を固めるジャパニーズアクターを
いちいち挙げていたらキリはないが、
リドリー・スコットが松田優作のためにエンディングを変えたのは、
周知の事実。
うーん、なるほど・・・

にしても・・・
なんで、ケイト・キャプショー?

この謎が解明されるまで、
あと何回“ブラック・レイン”を見る事になるのだろうか・・・

2009-07-01

呑まずに死ねるか!《四本目》


百歳 山廃純米吟醸

もとは東北泉(《一本目》参照)を醸していた
南部杜氏の佐々木勝雄という方が、茨城の蔵で醸してる酒です。

佐々木さんの仕事で、山廃は呑んだ事がなかったのですが、
(というか、東北泉では山廃醸してなかったような気が・・・)
東北泉らしい(といったら失礼か)バランスの山廃に仕上がっている感じです。

山廃といえば、能登四天王のひとり、
農口尚彦氏(菊姫→常きげん)の仕事が有名ですが、
「あ、こういう山廃もいいなぁ」と思える、
また違った山廃の印象を楽しめる酒です。

東北泉ファンなら、納得の一本。

山廃と聞くと、濃くて苦手と思う諸氏もいらっしゃるかと思いますが、
これは山廃入門としての一本と考えてもいいかも、と思います。
あえて山廃っぽさをグッと抑えた感じの、
いい意味で控えめなんですが、バランス良くコクを楽しめる食中酒です。
常温〜ぬる燗がお薦め。

ここから、菊姫とか常きげんにいくと、
「おぉ、そうか!」と思えるのではないでしょうか。

作り手による、様々な色を楽しめるのが日本酒ですな。




あの桶がおとした酒にぬれてゐる

まぁ、でも最初はビールかな・・・ 今日は