2009-12-25

落語におけるサンプリング 〜聴かずに死ねるか!《第十二話》〜

五街道雲助
“芝浜”

年末ですなぁ。
やっぱりコレ、高座にかかりますよね。

今まで実際に高座やDVDなどで、
古今亭志ん生
春風亭小朝
立川談志
柳家権太楼
などの“芝浜”を体験してきたが、
雲助版は斬新な“芝浜”という印象でした。

なんつったって、おかみさんがCOOL。
「おまいさん」とか「おまえさん」とか言うところを
「おまえ」だもんね。

ラストは泣かせに入らない泣かせの演出。
しかも、おかみさんご懐妊。

んー、こりゃぁいい“芝浜”を体験できたなぁ・・・

しかし、一番のお気に入り場面は、
当日の客層を考慮してか、
“風呂敷”のサンプリングが入ってたところ。

ま、当然掛け取りの場面なんだけど、
「あれっ? もしや・・・」と思っているうちに、
“風呂敷”のサゲ場面にすり替わって、
でもスムーズに“芝浜”に戻って行く、と。

こういうのって、知ってる客は思わず心の中で、
「やりやがったな畜生めぇ」と毒づきながらも、
顔はニンマリ、になってしまいます。

心憎い演出というだけでなく、
それが分かった自分を褒めてあげたいんですなぁ。
単純なモンです、好き者って。

おかげで、良い年越しができそうな心持ちになりましたが・・・




「夢になってもいいから、呑んじゃおうか」

2009-12-11

呑まずに死ねるか!《五本目》


ダルマ正宗 二十年古酒


久しぶりの酒話ですが・・・

二十年古酒です。


これ、いいです。

特に、ぬる燗が。


どんな味わいなの?


マデラワインのような紹興酒のような感じ、

と言えば分かりやすいか。

(蔵元さんもそう言ってるし)

でも、もっと“スルッ”としてます。

バランスも良い。


ホント、旨い! です。


他にも古酒を出してる蔵元さんもあるので、

興味を持った方、是非お試しを。

二十年を出してるのは、

この白木恒助商店ぐらいかもしれないけど。


ところで・・・

古酒とえいば、ぬる燗が一番だと思ってます。


でも・・・

古酒を出している蔵元さん自信が、

「お燗して呑んで」っつてるのに、

「当店では冷やしてしかご提供できません」などと言い切る

酒を知らない飲食店が多い。

しかも、そういう事言う店って以外と有名店だったりするから、

客はみ〜〜〜んな、そう思い込んでしまう。


なんでもかんでも冷やして出せばいいっつーのは、

いいかげんヤメにしてくれよ、と思う。



余談:またキタ。ラッキーヱビス。

   今年の春から既に四本目・・・

   なんかあるのかな、マジで・・・




おもひおくことはないゆふべの鍋の残ぽろぽろ


今夜も湯豆腐だね。

2009-12-02

エリーゼのために・・・


LOTUS Eliseである。
ベタなタイトルですまん・・・

知人の愛車です。
乗せてもらいました(助手席に)。

こういう車は、やっぱり運転する車ですね。
今時、とても貴重な車だと思う。
“走る”ということに、極限までこだわった造り。
ハンドルには殆ど“遊び”が無いようだ。
勿論、トランスミッションはマニュアル。

車重は1t切ってます。
フェイズ1のモデルだと750kgぐらいらしい。
もう、エアコンって何? カーステって何? ってぐらい、
走る事以外の要素は排除しているらしい。
ま、オプションで色々付けられるんだけど・・・

ミッドシップ特有の加速感、安定感。
でも助手席までもが狭!
2シーターだけど、実質は1人乗りってぐらいの車内。

でもイイんですよ。
次の機会には運転させてもらおう、
と心でつぶやいてみたひと時だった。

こういうモノは、
世の中から無くなってほしくないもんです。

Eliseのためにダイエットしてるエンスーは、
果たしてどれぐらいいるんだろうか・・・

2009-11-09

ナマnikki

ナマ日記、ではない。
念のため。

某日、歌舞伎座に行ってきた。
初めての歌舞伎座。
来年四月一杯で、その生涯を終える事になっている、
あの歌舞伎座。

でも、観たのは歌舞伎ではない。
jazz。
しかも30分ぐらいだけ。

観たのは“Nikki Yanofsky”。
観れてよかった。
抽選に当たらなければ入場できないイベントだったし。
(単に、当たったという自慢)

いやはや、すげぇな。
これで15歳なの? と自分でも思いつつ、
やたらと“天才少女”を喧伝する人が多いのには参った。

まぁ自分でも入口に、その年齢でこりゃすげぇ、
というのがあったのは否めないが、
もうボチボチ年齢は語らずともいいよ、と。

それだけのレベルに彼女はいると思うし。
個人的には、多少押さえて表現する歌唱方を
自分のモノにしたら、また凄くなるよなぁと感じた。

アンコールでの“Over the Rainbow”、良いんだけど、
後半絡んでくるゲストは不要だったよなぁ。
ま、イベントの柱を考えると
出さないワケにはいかないのだろうけど。

なので、ちょっとした抵抗もあって、
トリのお方は観ないで呑みにイッてしまった。



あ、“姉日記”という日活ロマンポルノの名作があったのを
思い出した。

2009-10-30

またしても、キテしまったけど・・・


本当に、何百本に一本なのだろうか、
ラッキーヱビス。

ここ半年ぐらいで、既に三本目である。
だいたい50〜60本に一本で入っている勘定になる。

それとも、もうこれで一生分なのか。

それとも、すっごくツイてるということなのか。

それとも・・・

2009-10-17

また一人・・・

逝ってしまった。
しかも自殺ですか・・・

楽天vsソフトバンクのCS中継中のニュースで知りました。

フォークルで、あの「帰ってきたヨッパライ」や
「イムジン河」など。
んで、サディスティック・ミカ・バンドなど々々
有名な活動は沢山あったけど、
ハッキリと彼の名前が心に刻まれたのは、
泉谷しげるの「'80のバラッド」「都会のランナー」。
この2枚の仕事。

’70年代後半にリリースされたこの2枚が、
今の泉谷しげるの根本を形成しているように、
個人的には考えている。
まぁ、でも評価のワリには売れなかったので、
このあと泉谷しげるは低迷期を迎えてしまうのだが。
(俳優としては逆にブレイクしていく)

いまでもこの2枚は個人的に、泉谷しげるのマスト。
彼のプロデュースによって、
その前の作品「光石の巨人」で見せた片鱗が
見事にカタチとなって花開いていると思う。
そして、ポリドール時代を経て、
LOSERへと繋がっていったのではないだろうか。

おっと、泉谷しげる論みたいになってしまったが、
本人自身の音楽活動そのものも優れていたことは
間違いないと思うのだが、
そんなプロデュースという仕事での彼が印象深かった。

自分が知らなかったところで、
そんな仕事は沢山やってきているのだろうけど・・・

あー、合掌。

暫くは「'80のバラッド」「都会のランナー」ばっかり
聴いてしまうんだろうな・・・

2009-10-04

やっぱり、いいものはイイ!!!

Carpentersである。

昨年、カレン没後25年を迎えて、
一年遅れで自分の中では旬を迎えた。

きっかけは、とある老舗のライブハウスで、
カバーを生演奏で聴いたから。
I need to be in loveとClose to you。
まぁ、単純な話だけど、
これから何年も何年も聴き継がれていくのは間違いないと思う。

で、件のberでも偶然聴かせてもらっちゃいました。
やっぱりアナログで聴くCarpentersはいいよなぁ。
またかよ、とつっこまれそうだが、
ここで聴く音楽はそういったモノがほとんどなので、
そうなってしまう。

なんだか一人で盛り上がっていたようで、
「いやー、もうCarpenters barみたいだねぇ。
そこまで喜んでもらえるなら、もっとかけちゃおうかぁ」
などと言ってもらいつつ、堪能。
他にお客さんがほとんどいなかったからこその、
ラッキー。

そうやって改めて聴くと、イイね、やっぱり。
楽曲もそうだけど、
カレンの声の素晴らしさに乾杯!
個人的には“Superstar”“I need to be in love”あたりがいい。
あ、“Ticket to ride”も勿論。

その晩は5〜6曲聴かせてもらった上に、
'74年の武道館ライヴの映像まで見せてもらった。

うーん・・・
やっぱり、いいものはイイ! としか言えなかった。

Box出ねぇかな。monoで・・・

2009-09-22

また、キターーーーーー! ので、あった。

巷では・・・
The BeatlesのBoxについて、
monoかstereoか?
オリジナル版とドコが違うの?
そこで言うオリジナル版ってUK版じゃないと意味ないよね?
とか言いながら結局呑んだくれて、
せっかく教えてもらった違いなんぞは、
とっくに分からなくなってしまい、
それでもグラスを重ね、聴きつづけ、話し続けて、
ズブズブと夜を消費する輩がどれだけいるのだろうかと
心配な今日この頃・・・

またしても、
のであった。
あの恵比寿様が・・・

画像は全く同じなので載せないが、
いったい、
ツイているのか、そんなモンなのか・・・
この3ヶ月で2本もキテしまった。
素直に、喜んでおこう。

ま、とりあえず、
またキタのだという、それだけの話でした。

あ、ついでに・・・

mono boxを買いました。
例のberでも聞きました。Tannoy Rectangular Yorkで。
いいと思うよ、コレ。

2009-09-08

天才! とはこういう人の事かも

Nikki Yanofskyという女性ジャズシンガーがいる。
まぁ「今更話題にしてるって、遅いよね」と言われそうだが、
やっぱり、書いておきたい。

圧倒的な歌唱力。
スゥイングしてる。
グルーブ感(ってあんまりJAZZには使わない表現?)あふれてる。
ステージ度胸満点。
その存在感。
その声の張り、深み、伸び。
その表現力・・・

個人的に女性ジャズボーカルには、
Anita O'Dayのようなハスキーボイスを求めるのだが、
こりゃ参った・・・

まだ未経験の女性ジャズボーカルファンの皆さん、
是非!!!

でも・・・
まだ彼女は歯の矯正中。
なんせ、デビューは12歳。
10万観衆の面前で、堂々たるステージだったらしい。

手元の音源と映像は、
Ella Fitzgeraldへ捧げたステージパフォーマンス。
2007年、彼女はその時13歳。
っつーことは、今15歳か。

7月には来日してたらしい。
イベントへの出演だったようだが、一人勝ちっだったらしい。
これは、逃した感が大きいね・・・

まぁ、また来日するでしょう。
待ってます。。。





ただ・・・
デビューが早く、
しかも誰もが認める天才と言われているだけに、
どっかの誰かみたいになってしまわないことを祈ってます。

2009-07-31

思いがけず、ひとりZep会の夜だった

またしても、件のとあるBarでの事。
(どんなBarかは“〜viva! 70's&80's〜”参照)

客も少なくなってきた時間帯。
オーナーが「今日、ディスクユニオン行ったら
Led Zeppelinかかっててさ、
でも途中で止められたから、今夜はかける」と宣言。

サプライズ!
この店の機材で聴けるなんて・・・
ついつい「おかわり」・・・

All My Love
Since I've Been Loving You
Whole Lotta Love(←オーナーはこれが聴きたかったらしい)
 確かに、このリフは凄いよね。

で、ちょっと寄り道してたら、
珍しく他の常連さんが帰ってしまって、
ひとりきりに。
そのとき期待した一言がオーナーから・・・
「貸し切りだから、いいよ」

当然、ここからは大音量。
ウチではぜっっっっっっったいにできない
ボリュームで堪能させてもらいました。
この店を知ってから、
絶対体験したいと密かに思っていた事が現実に・・・

今年の夏はいい事ありそう?




以下、覚え書き的に・・・・
※特に表記の無い曲は全てスタジオアナログ版

The Crunge
The Battle Of Evermore
No Quarter

ここで、オーナーから
「Zepの中でもわりと変態好みだね」とお褒めの言葉をいただく(笑)
なかでも、The Crungeのドラム。
9/8拍子なんて、いったいどうやったら
グルーブ感を損なわずにたたけるのだろうか。
で、No Quarter。
個人的には、絶対にスタジオ版。
全ての音が絶妙に渦巻いている。
そして、ライヴには無いクールな厚み。
ま、彼らはライヴにはめったにサポートをつけなかったらしいので、
どうしても、ジョンジーが一役しかできないから
仕方ないと思うけど。

あとは怒濤の
Rock And Roll(Live)
Celebration Day(Live)
The Song Remains The Same(Live)
The Rain Song(Live)
 つまりThe Song Remains the Sameの
 A面まるっと、ですね。

ここで閉店時間・・・

なので、ラスト一曲。
スタジオ版かLiveDVDか迷ったが、
ドラミングの映像が見たかったので、
LiveDVDから、

Achilles Last Stand



ごちそう様でした・・・
やっぱり、大音量だよな・・・ Led Zeppelinは。

あ、ここでは時々、
Miles DavisのTime After Time(Live)も
大音量で聴ける事がある。
勿論、すっっっごくイイです。

2009-07-14

黒いマイケルは真っ白なポップコーンを食うのであった

すっごく久しぶりに“Thriller”のPVを見た。
勿論ロングバージョン。
勿論呑みながら・・・

この作品、
単にPVと言ってしまっていいのかどうかはさておき・・・

監督はJohn Landis(The Blues Brothersは名作ですね)。
ナレーションは
Vincent Price(Scissorhandsが遺作となってしまいました)。
勿論主演はMichael Jackson。
ハードはMarantzの真空管アンプに
Tannoyのスピーカー(Rectangular York)。

っつーことで、未だに巷は追悼気分なのだが、
このPVは名作ですな。
勿論、曲もダンスも演出もいいんだけど、
個人的にはVincent Priceのナレーション。
コレに尽きる。
ま、もっとも、曲・全体の構成・演出ありきではあると思うけど。

この人の声は一度聞いたら忘れられない響きがある。
声を聞けば「あ、この声聞いた事ある! しかもホラー系!」と
納得がいくと思うし、実際には聞いた事が無い人でも、
「おぉ、この声はなんかのホラー映画で聞いたことあるぞ・・・」と
思い込んでしまうほど、
暗く、湿った画面にピッタリなのである。

そんな事を考えながら見ていたら、
その場にいたほとんどの人は、
特殊メイク(そう、VFXではなく!)や
Michaelのダンスシーンに過剰反応していた。

でも・・・・
あんなに白人にあこがれつつも、
“実は白人嫌い”発言も話題になっていた(真実は定かではないが)、
まだ肌が黒かったMichaelが、
すっごく嬉しそうに、
真っ白なポップコーンを頬張っているシーンに
何かを感じたのは自分だけだろうか。

(カッコつけ過ぎ・・・)

ま、たいして雨がふらないうちに梅雨も明けてしまい、
水不足は大丈夫なのだろうかと思う今日この頃。
ビールの消費量がグンと増える季節が
本格的になってきてしまった・・・

2009-07-08

感動! でも“布哇”って読める? 〜聴かずに死ねるか!《第十一話》〜

柳家喬太郎
“布哇の雪”

とりあえず“布哇”って、何と読むかは置いといて・・・

落語研究会にて、柳家喬太郎がこういう根多で
トリをつとめるとは思わなかった。
ご本人も高座で「大丈夫か?!」なんて言ってましたが・・・

古典もいいけど、師匠のこういった創作落語もいいもんです。
好き嫌いがあるようですが、
登場人物のキャラクター設定が面白いです。
そして、その描写が素晴らしい噺です。

スタートから大爆笑。
今時の女性の細かい描写、
頑固(を装っている)祖父の細かい描写・・・
このギャップやギリギリの駄洒落などなど、
粋を、いや、息をつかせぬテンポで
クライマックスへ向かっていきます。

で、はっきり言って泣けます。
笑いで泣けて、ラストは感動で泣けます。
涙腺ゆるい方は、ハンカチ必須噺でした。

もう、熱演・感動、としか言いようがない高座を堪能しました。

当日は喬太郎の前に高座に上がった柳家三三(ろくろ首)も、
すっごく良かったんですけどね。
マクラで、当日ならではの
「○○○ってどう書くのか初めて知りました」などの振りもキイていて、
会場は大ウケだったのですが、
ぜーんぶ、喬太郎がもっていっちゃいました。

あ、“布哇”の読み方が分かったから、
感動したってぇワケじゃぁありませんよ。




「ま、ゆっくり呑みながら、何て読むか思い出しましょうか」

2009-07-04

抑えの神髄 〜聴かずに死ねるか!《第十話》〜

桂歌丸
“藁人形”

艶っぽいんですよ、歌丸師匠は。
花魁や人妻がすっごく艶っぽい。
過剰な演出をしてない“抑え”た芸がそう感じさせるのか。

例えば、喧嘩のシーンでもオーバーアクションは無いし、
必要最小限の言葉・動きで表現してる。
えっと、花魁や人妻は・・・
文章で説明するよりライブで感じてもらった方がいいんですが、
やっぱり、男が女を表現する時、
色々とやりたくなるのかもしれないところを極力、
“抑え”てるように思う。

“やり過ぎ”はよくないねぇ、何事も。
と言われている感じです。
そんで、抑え方に嫌みが無い。
すっごくスタイリッシュな感じがする。
小三治師匠も似た印象をうけますなぁ。

“抑え”た芸も究めれば、スタイリッシュになるんですなぁ。

にしても、この噺・・・
さんざん恨みつらみを重ねて復讐を果たそうとするってとこで、
サゲは[糠に釘]だもんなぁ。
ま、それが落語なんですけどね。

あ、歌丸師匠の“真景累ヶ淵”も聴いてみたいです。
どんな抑え方で、怖さを演出するんでしょうね。



「アテは糠漬けで充分ですよ、今夜は」

2009-07-03

親子って 〜聴かずに死ねるか!《第九話》〜

親子といっても“子別れ”とか“真田小僧”とか
“親子酒”とか“親子茶屋”じゃぁありません。

金原亭馬生(十代目)
“目黒のさんま”

そもそも、金原亭馬生(十代目)を初めて聴いたのが“目黒のさんま”。
しかも、とある出張時、機内の全日空寄席にて。
しかも、イヤホンを耳に突っ込んだ時には殿様はもう馬上の人。

だもんで・・・
「えっ? 志ん生の“目黒のさんま”か?!」とびっくり。
いやー機長な、いや貴重な音源じゃん、と思いつつ聴いていくと、
「ん、志ん生の音源にしては聴き取りやすいなー」
で、サゲの後のアナウンスで、金原亭馬生(十代目)と分かった。
まぁ、これも勿論貴重な音源なんだけどね。

貫禄、の“目黒のさんま”であり、
今までになく笑えた“目黒のさんま”でした。
勿論、到着までに、もっかい聴きましたよ。
音源のみということは、噺家の仕草や表情が見えないんですが、
各シーンが自然と頭に浮かんでくる、
そんな一席でした。

志ん朝(三代目)と比べると、
志ん生にそっくりな印象なんです、馬生(十代目)の方が。
勿論、音源だけでのハナシですが。

親子って、似てくるところは様々なんでしょうが、
馬生(十代目)も志ん朝(三代目)も、
大酒呑みなとこは志ん生そっくりだったそうですが、
二人とも長寿なとこは似なかったようで、残念です。
親子って、そんなモンなんでしょうか。

現在、馬生(十代目)よりも志ん朝(三代目)の方が、
評価が高いようですが、
お二人とも、生で聴きたかったなぁ、と思うわけであります。




「晩酌は手酌に限る!(やせ我慢・・・)」

通すも通さぬも 〜聴かずに死ねるか!《第八話》〜

入船亭扇遊
“人形買い”

古典落語を通しで堪能できる機会って、もしかしたら少ないかも、なんて。
あの有名な“品川心中”なんて、後半を演る事なんてほとんど無いでしょう。
“子別れ”なんて、上中下の下しかやらない事が多いのではないでしょうか。
ま、時たま中下と演ったりする事もあるようですが・・・

で、“人形買い”。
寄席なんかで聴くと、やっぱり前半のみだと思います。
少なくとも聴いた事があるのは前半のみでした。

入船亭扇遊は通しで演ってくれました(寄席じゃないんだけど)。
はぁ〜、そういう流れでサゲにいくのかぁ。
と、ラストまで引き込まれました。
さすが、ですね。

こういうのって、
まぁ、長いからってのもあるんでしょうが、
通しで演らない理由がちゃんとあるんだと思います。
『現代では分かりにくい』とか『暗い』とか・・・
でも、その上で通しで演るには、かなりの力量が必要ですよね。
もっかい、
さすが、ですね。

通すも通さぬも噺家次第なんでしょうが、
知ってしまったからにゃぁ、
通してもらいたくなるもんです。
こういう機会が増えるといいですね。

今月末には、古今亭志ん輔が“品川心中”ですよ。
通しで演ってほしいなぁ。

あ、でも“真景累ヶ淵”なんてぇのは通しじゃなくていいです。



「おっとっと、呑み代はお返しからさっ引いといてくださいな。
 え? そんじゃ足んないの? 困ったなぁ・・・ サがんないや」

2009-07-02

何故、大阪だったのか・・・

今更ですが・・・
すっごく久しぶりに“ブラック・レイン”を見た。
自分でも驚いたが、2回目。
“ブレード・ランナー”は100回以上も見てるのに・・・

たぶん、リドリー・スコットの中では、
アキバ(敢て東京とは言わない)よりも大阪の方が、
2019年のロスに近い印象を受けたのかもしれない。

彼は大阪に、より湿度を感じたのか・・・
それとも《グリコ》の電飾に《コルフ月品》の夢を見たのか・・・
それとも東大阪と思しき工業地帯に《ノストロモ号》の夢を見たのか・・・

そして・・・
高倉健もマイケル・ダグラスも
やはり、〈うどん〉を食うのである。

エンディングでは、蕎麦のようにも見えたが、
市場内では明らかに〈うどん〉。
マイケル・ダグラスよりはハリソン・フォードの方が、
箸使いは上手いな、と思いつつ・・・

でも、湿度やうどんよりも、
陰影と煙にリドリー・スコットを感じてしまった。
もう数え上げたらキリが無いほど、
リドリー・スコット流“光と影”の演出が出てくる。
煙も然り。
印象的なのは〈サトー〉がエンコ詰めるシーンの直前、
親分たちが煙草をふかし、そして消す時に立ち上がる煙の効果!
(レイチェルの煙草の煙よりは抑えめではあるが・・・)

で、身びいきかもしれないが、
マイケル・ダグラスよりは高倉健に存在感を感じてしまうのは、
自分だけだろうか。
後半にも出てはくるが、ほぼプロローグと言ってもいい頃合いに出てくる
内田裕也の存在感に一瞬、巻き戻したのは自分だけではないはず。

若山富三郎など脇を固めるジャパニーズアクターを
いちいち挙げていたらキリはないが、
リドリー・スコットが松田優作のためにエンディングを変えたのは、
周知の事実。
うーん、なるほど・・・

にしても・・・
なんで、ケイト・キャプショー?

この謎が解明されるまで、
あと何回“ブラック・レイン”を見る事になるのだろうか・・・

2009-07-01

呑まずに死ねるか!《四本目》


百歳 山廃純米吟醸

もとは東北泉(《一本目》参照)を醸していた
南部杜氏の佐々木勝雄という方が、茨城の蔵で醸してる酒です。

佐々木さんの仕事で、山廃は呑んだ事がなかったのですが、
(というか、東北泉では山廃醸してなかったような気が・・・)
東北泉らしい(といったら失礼か)バランスの山廃に仕上がっている感じです。

山廃といえば、能登四天王のひとり、
農口尚彦氏(菊姫→常きげん)の仕事が有名ですが、
「あ、こういう山廃もいいなぁ」と思える、
また違った山廃の印象を楽しめる酒です。

東北泉ファンなら、納得の一本。

山廃と聞くと、濃くて苦手と思う諸氏もいらっしゃるかと思いますが、
これは山廃入門としての一本と考えてもいいかも、と思います。
あえて山廃っぽさをグッと抑えた感じの、
いい意味で控えめなんですが、バランス良くコクを楽しめる食中酒です。
常温〜ぬる燗がお薦め。

ここから、菊姫とか常きげんにいくと、
「おぉ、そうか!」と思えるのではないでしょうか。

作り手による、様々な色を楽しめるのが日本酒ですな。




あの桶がおとした酒にぬれてゐる

まぁ、でも最初はビールかな・・・ 今日は

2009-06-30

ちょっとイイマクラ 〜聴かずに死ねるか!《第七話》〜

柳家小三治
“フランク永井”

って、いやいや噺は“宗論”だったのですが、
マクラがね・・・
うーん、賛否両論でしょうが、
こういうのもいいなぁ、と思いましたよ。
ま、
歌っちゃうんですよ、小三治が“フランク永井”を。
サラッと、でも旨い。
歌が上手いというよりは、雰囲気かなぁ。
で、旨いと。

どこぞの川○○柳みたいに、声張り上げて、
軍歌とか古〜いラテンばっかりで、
しかも、毎回全く同じなんて、
もう見たくないっつーの(それでもファンだぞ! っつー方、失礼)。
ちゃんと落語やればそれなりなんだと思うんだけどね、真打ちなんだから。

小三治のは、何と言うか、
歌ってても“話芸”なんですよ。
というのと・・・
小三治がマクラで歌っちゃうって、あんまりないよね、たぶん。
『公園の手品師』、良かったです。
ちょこっと歌詞の解説やエピソードなんかも織り交ぜて・・・

あ、“宗論”も流石、でしたよ・・・
でもなんとなく、マクラが落語を喰っちゃったみたいな、
不思議だけどイイ感じでした。




「あたしゃ酒呑み、酔ったピエロ」ってか・・・

2009-06-29

月の刃


っていう曲がある。

1991年にPANTAがジュリーに書いた曲なんだけど、
PANTAと菊池琢巳のユニット“響”のライブでセルフカバーも聞ける。

ジュリーのライブDVD『ジュリーマニア』でも見れる(聴ける)。
アルバムは『パノラマ』。廃盤なのが惜しい。
すげーいい曲なんだけど、
“響”のライブバージョンがまたイイ!

PANTAらしい詞で、
あー、遠ーくへ連れていってくれるなぁ、という感じ。
勿論、ジュリーのボーカルにもバッチリなんだけど、
“響”のアコースティックバージョンに
PANTAのボーカルがのっかってるのも、
イイ!

ジュリーとPANTA、両方聴いた事ある方います?
イイっすよ。

ま、今回は、それだけなんだけど・・・

ラッキーヱビス、キター


一部では都市伝説と言われていたラッキーヱビス。

戎様の右肩の魚籠に鯛が一尾入っていて、
通常は左手に抱えた鯛のみのところ、
計二尾の鯛が描かれたラベルが存在するらしい。
これは数百本に一本の割合で存在するといわれているモノ。
数百本って言われても200本と900本じゃ、
エラい違いだし・・・

一度、とある割烹で中瓶が飾ってあるのを見た事があった。
でも、飲食店に置いてあるわけだし、プロモーション用かな・・・
なんて思ってたのだが、ウチに来ました(小瓶だけど)!

ウチ呑み用のビールは7、8年前から
小瓶をケース買いしてるんだけど、
全然コナカッたので、
やっぱり都市伝説かと思ってたところでした。

うーん、いいでしょう、コレ。

まぁ、全く興味がない人には何の価値も無いんだけど、
興味がある人にはたまらないアイテム。

ちなみに・・・
検索してみたら、ネットオークションでは
一本あたり数千円で取引されているようです。

まぁ、こーいうモンは、
お金に換算して価値を見いだすもんじゃ無いと思うんだけどなぁ。

以上、ささやかな自慢でした・・・

2009-06-28

噺に見るオーラの泉 〜聴かずに死ねるか!《第六話》〜

柳家小三治
“厩火事”

昔、道徳の授業っつーモンがあって、
どこやらのエラ〜イお方の幼少の頃の正直話や、
どこやらのエラ〜イお方の大人になってからの徳のある話なんぞを
聞かされたもんですね。

でありますが・・・
そんなありがたいお話も、江戸のぐーたら亭主にかかっちゃぁ、
がくっとオチちゃいます。
ま、この方が面白いんだけどね。

で、何故“オーラの泉”かって・・・
噺じゃなくて、高座のこと。
一部の通人に言わせれば
「小三治はもうピークを過ぎたよ」なんて
聞こえてくる時もありますが、
まだまだどうして、と感じちゃいました。

新宿は末廣亭で聴いたんですが、
小三治師匠登場の瞬間
「あれ、末廣亭の高座ってこんなに狭かったかな」
と感じてしまいました。
まぁ、もともと狭い高座なんですが、
その時は人ひとり座ったら一杯といった感じでした。
そんだけ、あの華奢な小三治師匠がデカく見えたんでしょう。
どう見ても歌武蔵じゃぁなかったですから。

これって、小三治師匠のオーラを感じたからかなと、
今でも思ってます。
まさか、あの古い箱に、そんな仕掛けは無理でしょうから。




「呑み過ぎて態度ばかりが、デカくなんないようにね」

呑まずに死ねるか!《三本目》


丹沢山 本醸造 魚々っと

またしても“本醸造”。
これ『ぎょぎょっと』と読む。
その名の通り魚に合う、とっても。

ま、ネーミングについては色々と意見もあるだろうが、
それはさておき・・・

この蔵へは、縁あって、おじゃましたことがあり、
その時に呑ませていただいた“醪”が凄かった。

おじゃました際のメンバーは皆“プロ”の方々で、
酒販店さんや飲食店の大将たち。
その面々が“醪”をいただいて「どんな純米酒になるんだろう!」と
異口同音に感動してた。
自分も、素人なりに「かなり旨い酒になるんだろうな・・・」と。
“醪”の段階で、きめ細やかでバランスがいいなぁという感じだった。

ま、“醪”は蔵に行かないと呑めないので、
「そんなの自慢されても・・・」なんて言われると
ゴメンナサイなんだが・・・
でも、旨かった!

それで、この“醪”がどうなったかというと、
この『魚々っと』に。
おー、そんな凄い“醪”が本醸造っすかー。
皆、感心しちゃってた。
たぶん「あの“醪”が本醸造じゃもったいないなぁ」
というニュアンスも含めての、感心だったんじゃないかと思う。

しかし、
蔵を案内してくださった専務曰く
「やるべき事を普通にキチンとやってれば、
あれくらいのレベルはあたりまえですよ」と。

どんな世界でも、
“やるべき事を普通にキチンとやり続ける”事って大変なんだけど、
サラッと言ってた専務、凄い。
それをやり続けてる蔵人、凄い。

丹沢山って、当然純米も旨いんだけど、
本醸造で、このレベルの仕事してたら、当たり前か。
なんだか、“淡々”とした凄さを味わった。



酒のうまさほろほろこぼれ

さて、干物でも焼くかな・・・

2009-06-27

噺に見る経済学 〜聴かずに死ねるか!《第五話》〜

立川志の輔
“千両みかん”

モノの価値というのは、人によって様々ですな。

お題の通り、みかんが千両もするんです、一つで。
でも、欲しい人は欲しくてたまらない。

どうしてもみかんが頭から離れない若旦那の様が、
見事に演じられてます。
みかん問屋が、なぜみかん一つが千両もするのかを
滔々と語るシーンに引き込まれます。

理解出来ない価値観のなかで、
右往左往する番頭さんが目の前を走って行くようです。
そして・・・
自分の価値観が崩壊した番頭さんがオチへ向かって走ります。

しかし・・・
欲しい人がいるからモノの価値は上がるんですがねぇ。
ま、そこが噺ならでは、でしょう。

あ、頭脳警察のデビューアルバム(勿論ビニール版)は、
一部では200万〜で取引されているらしい・・・

あるお方曰く・・・
経済学の講義の枕で“千両みかん”を
学生に話してきかせる教授がいたら、
その教授は優秀な教授だよなぁ、と。

“千両原油”なんてならないことを願います。




「今夜の一杯は、いかほどかね・・・」

2009-06-25

この“間”は貫禄? 〜聴かずに死ねるか!《第四話》〜

またくらべちゃいます(こればっかり)。 

柳家花縁と三遊亭金馬。 
んで、 
“長短”。 

あきらかにアレンジが違います。 

金馬は、気の長い方を関西人にしたててます。 
まぁ、どんだけ江戸っ子が気が短いんだ、っつーことでしょう。 

金馬は、“間”で聴かせます、気の長い様を。 
花縁は、気の長い様を、何か余計な事をさせて表します。 

金馬は、最後に気の長い方が言いたい事を 
着物のことやなんかにかこつけて、聴き手ににおわせます。 
もう、ここで気づいた聴き手たちは肩が震えちゃいます。 
花縁は、ストレートに下げに向かって進んでいきます。 

んー、どちらも芸なんだけど、 
金馬の方が気が長いのか? 
いやいや、貫禄か? 
などなど・・・ 

個人的には、この話、 
“間”で聴かせてもらいたいっすね。 
んで、気の長い方が、思わず最後に色々語ってしまう。 
ってのが良かったなぁ。 

にしても・・・ 
またしても、金馬師匠をナマで見る事ができて、良かったなぁ。 
いつ見れなくなっても不思議じゃないもんね(ヲイヲイ・・・)。 


ま、そうはいっても 
「今日も冷やでいいんだよ」

2009-06-24

呑まずに死ねるか!《二本目》


志太泉 生貯蔵酒 一回火入(本醸造)

個人的に清酒は食中が好きだ。
なので、これも当然食中派へお薦め。
多少重たいアテでも、キッチリ受け止めてくれる。
室温〜ぬる燗がイイ。

昨今、“日本酒は純米に限る”なんて言われて久しい。
本醸造は“アル添”と言われ、悪いイメージが横行している。

でもそれは、ハッキリ言って“純米盲信”と言えるのではないか。
中には・・・
「本醸造はメチルアルコールの匂いがする」なんて言い出す輩までいる。

いったい、どんな悪い酒のんでんだ! と突っ込みたくなる。
あるいは、異常なまでにものすごく鼻がイイのか!?
っつても本醸造用のアルコールは勿論メチルじゃないけど・・・

“純米盲信”どっかいけ!

純米も本醸造も、旨いものは旨い。
ちゃんと呑んで判断したいとこだ。
純米だってマズいのはマズいんだし。

なぜか憂歌団がかかってるけど、
ま・・・



食べる物はあつて酔ふ物もあって徳利の雨・・・

たぶん、今日も酔う・・・

アツいぜbaby 〜聴かずに死ねるか!《第三話》〜

ここらでアツいのをひとつ・・・

三遊亭歌武蔵、ご本人曰く「本名、松井秀喜」。
似てます。

んで、“強情灸”。
この噺家さんのための噺って思ってしまいました。
ま、ほかの噺家さんのを聴いた事はないんですが・・・
(志ん生のものなど、結構CDやらなんやら出てるようではありますが)

まぁ、なんつったって、
でかい身体を使って、汗ふりしぼって、
江戸っ子のやせがまんを演じます。
聴いてるこっちも熱くなってきます。
寄席で聴いたら、なおさらです。

おさえた芸、引き算の上に成り立つ芸もいいけど、
本人のあらゆる持ち味を、
くどいぐらいに出す芸ってのもアリなんだなぁ、と。
培ってきたもの+持って生まれたもので個性を出す。
そうやって差別化していく。

そんな噺にも、引き込まれますね。

おっと、
「でもね、熱くねぇったって、そんなにチンチンにしちゃぁ、
酒の味が分かんなくなっちゃうよ」

2009-06-19

呑まずに死ねるか! 《一本目》


東北泉 八反錦純米

食中酒、No.1でしょう。
個人的には。
味わい・キレ・深み・のどごし・バランス・各種肴との相性・・・
どれをとっても素敵。
そこに“八反錦”という酒米の個性がバランス良くとけ込んでます。

特に、“八反錦”ってイイ。
これで醸すのは結構難しいらしい。
他の蔵でも勿論、使ってるところはあるんだけど、
そういう蔵の場合、純米酒は間違いなく“八反錦”がイイ。
(例えば、志太泉とか)
ま、ブラインドテイストで酒米が分かるほどの舌じゃないんだけど、
呑み比べてみると、たいていは“八反錦”を選んじゃってる。

東北泉を醸してる高橋酒造場という蔵は、
かつて佐々木勝雄という南部杜氏が仕切ってたんだけど
後を次いだ神 理さんが、その味を守ってます。
この蔵の酒は旨いぞ、マジで。
特に食中派にはお薦め。

ある事情があって、
ある席で、本来は持ち込みNGだったのに
頼み込んで1ケース持ち込んだぐらい、思い入れもある酒。



うしろ姿の千鳥でゆくか・・・

今日も酔ってます・・・

2009-06-18

誕生日の夜はこうして溶けていったのだった・・・ 〜viva! 70's&80's〜

たわいもない話ですが・・・(のわりには長い日記かも)

日曜の夜の事。
とあるbarで一人酒(ま、誕生日の夜に一人酒って
いかがなものかというツッコミはご勘弁を)。
モルトの品揃えが渋く、しかもリーズナブルな店。

客は3人。
DJスタッフと“ハスキーボイス女性ボーカルがいかに魅力的か”という話で
盛り上がっていたら、
DJスタッフが2000枚超はあろうかというアナログ盤のなかから
Stevie Nicksを
Marantzの真空管アンプに
Tannoyのスピーカー(Rectangular York)、
アナログプレーヤーはGarrard#301&PioneerP3aという
素晴らしい機材でかけてくれた。
曲は・・・
Edge of Seventeen、
Stand Backなど。

隣の客はどう見ても20代前半。
でも彼はしきりに感心して、Stevie Nicksをメモして帰っていった。

ここまでは、単なるプロローグ。

もう一人の客は、他のスタッフとの話に夢中で音には無関心。
で、普段はリクエストには、よっぽどじゃないと応じてくれないところを
「誕生日だし」ということで、70's&80'sタイムがスタート。
(他に客は居ないに等しい状況だし、ま、いいか、ってトコだったか)

Stevie Nicksからの流れで、
Buckingham Nicks、
Fleetwood Macに始まり、
あとはもうグチャグチャで・・・
Madonna、
Cyndi Lauper、
The Power Station、
Van Halen、
David Lee Roth、
John Cougar Mellencamp、
Dexys Midnight Runners、
Culture Club、
The Police、
Tears for Fears、
The Pretenders、
Michael Jackson、
などなど・・・
しかも1曲か2曲でアナログ盤を(次にかけるモノを棚から探しつつ)、
替えていかなければならないので、
DJスタッフは大変・・・
で、ラストは
Led Zeppelinでした。

もう既に客は自分だけ・・・

あー、DJさん、お疲れさまでした。
(疲れたんだろうな。だって帰り際にはTom Waitsのゆったり目の曲になってた)

などと思いつつ、
古〜いモノやマイナーなモノも大好きで、よく聴くけど、
やっぱり自分は“ベストヒットUSA世代”なのだなと、
強く認識した夜でした。

ま、こんな誕生日の夜も悪くないか・・・(強がり)

余談:この店のアンプは普段はMcIntosh。勿論真空管(現在修理中とのこと)。
  でも個人的には低音はMarantzの方が好きかも・・・

達人による匠の表現 〜聴かずに死ねるか!《第二話》〜

まぁ、そういったわけで、相変わらず“聴く”としておきましょう。

で、
“ねずみ”

いくつかある左甚五郎噺の中のひとつ。
例によってストーリーは検索すればいくらでもでてきます。

桂歌丸と林家木久蔵(二代目)
また比べちゃいます。

んー、親子襲名披露興業ということで、
大御所たちが見守る中だったからか、
聴いてるこっちが肩凝ったゾ、木久蔵(二代目)。

かたや、大大大ベテラン歌丸。
あくまでも淡々としている甚五郎の描写に、
凄みを感じました。

芸の深みっつーもんでしょうか。
素人の自分にも、はっきりと違いが感じられて、
まぁ、面白かったし、
やはり、これから深みを増していくんだろうなァ木久蔵(二代目)。
といったところか。

でも、なんなんでしょうね。
談志が若い頃騒がれていたような、
そんな逸材はいないんでしょうかね、よく分かんないけど。
立川流でいえば、志の輔は入門が遅かったから、
若くして云々とは言われなかったと思うが、
談志が、なんかのTV番組で「あいつぁ凄いよ」って言ってましたね。

おっと、話はそれたが、
甚五郎噺は芸の達人が匠を表現する。
そんな魅力があります。

ま、
「ありゃぁ、虎ですか。あたしゃぁ大虎ですな」

2009-02-04

上手い・旨い 〜聴かずに死ねるか!《第一話》〜

まぁ、噺の場合、ホールや寄席、DVDなどで見ても
やっぱり噺なので、“聴く”と表現しておきましょう。


で、
“芝浜”

この噺、好きな方結構いるのではないでしょうか。
ま、ストーリーはあっちゃこっちゃで検索すればいくらでもでてきます。

春風亭小朝と立川談志。
聴き比べて、あーだこーだ言うのは無粋なんでしょうが、
素人なんで言っちゃいます。

春風亭小朝:すげー上手い
立川談志:すげー旨い

この差はなんなんでしょうね。
好みかな。

春風亭小朝のは分かりやすいんです。
だから、どっちかというとこの噺を初めて聴く場合はいいかもしれない。
んで、噺が分かったところで
どう料理すんのかなぁ・・・
とワクワクしながら聴くと良さそうなのが、立川談志。
だから、“上手い”と“旨い”になるのかもしれない。

気に入った噺は
色々な噺家さんのアレンジで聴いてみたいもんです。

ちなみに・・・
五代目志ん生の“芝浜”をCDで聴いたことがあるんですが、
音質が悪くて、よく分からなかったです。

ま、
「呑んじゃいなさいよ」